遺言書は、自分の財産を「誰に・何を・どれだけ」残すかを決める大切な書類です。
しかし、自筆で作成した遺言書は、法律のルールを守っていないと無効になることがあります。
この記事では、自筆証書遺言の書き方や注意点を、行政書士がわかりやすく解説します。
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言とは、自分で作成する遺言書のことです。
費用をかけずに自宅で作成でき、思い立ったときに書けることが大きなメリットです。
一方で、法律上の要件を満たしていないと無効になる可能性があります。
自筆証書遺言を書くための要件
自筆証書遺言は、次の要件を満たす必要があります。
1. 遺言書本文は自筆で書く
遺言書の本文は、遺言者本人が手書きで作成します。
パソコンで作成した本文や、家族が代筆したものは原則として無効です。
ただし、財産目録についてはパソコンで作成したり、不動産登記事項証明書や預金通帳のコピーを添付することもできます。
その場合は、財産目録のすべてのページに署名押印が必要です。
2. 日付を書く
作成した年月日を具体的に記載します。
例
- 令和8年7月3日
- 2026年7月3日
「令和8年7月吉日」のような書き方では無効になる可能性があります。
3. 氏名を書く
戸籍どおりの氏名を自筆で記載します。
4. 押印する
認印でも有効とされていますが、後日のトラブル防止のため実印がおすすめです。
遺言書に書く内容
遺言書には、誰に何を相続させるかを具体的に記載します。
例えば、
妻○○に自宅土地建物を相続させる。
長男○○に○○銀行○○支店の預金を相続させる。
というように、財産を特定できる内容にします。
財産の記載が曖昧だと、手続きができないことがあります。
遺言執行者を指定する
遺言執行者を指定しておくと、相続手続きがスムーズになります。
例えば、
- 預貯金の解約
- 証券口座の手続き
- 不動産名義変更
- 相続人への財産の引渡し
などを遺言執行者が進めることができます。
よくある失敗例
自筆証書遺言では、次のようなミスが多く見られます。
- 日付が曖昧
- 財産の表示が不正確
- 相続人の氏名が間違っている
- 署名や押印が漏れている
- 修正方法が法律どおりでない
- 財産の追加・変更後も書き換えていない
これらは相続開始後のトラブルや、遺言が無効となる原因になることがあります。
自筆証書遺言は法務局で保管できます
現在は、自筆証書遺言を法務局で保管する制度があります。
保管制度を利用すると、
- 紛失を防げる
- 改ざんの心配が少ない
- 相続開始後の家庭裁判所での検認が不要
というメリットがあります。
根拠法令
- 法務局における遺言書の保管等に関する法律
行政書士へ相談するメリット
自筆証書遺言は、ご自身で作成できます。
しかし、内容に不備があると、相続人同士のトラブルや手続きができない原因になることもあります。
行政書士オフィスさららでは、
- ご希望の内容をお伺いした遺言書案の作成
- 相続人や財産の整理
- 必要書類の収集サポート
- 公正証書遺言をご希望の場合の公証役場との調整
などをサポートしています。
「この書き方で大丈夫だろうか」と不安な方は、お気軽にご相談ください。

